「え……？ 口うつし？」
「ああ、口うつし」
「くっ……口うつし?!」
「そう、口うつし」
「口うつしぃーーっ?!」
「何回言わせんだ、バカ」
動揺してる私をあきれて見てる流川だけれど。
上がったままの口元は、
明らかに私をからかって楽しんでる証拠。
「い、いいよっ。自分で飲めるから……っ」
「そういう意味じゃねーよ」
「で、でもっ、恥ずかしいしっ」
「いいから。オレの言うことを聞け」
握られた手に、チカラが込められて。
案の定、動けなくなる私。
固まった私の目をのぞき込んだ流川は、
「一緒に飲んだほうが美味いだろ？」
ふっと笑ってから、
くいっと一口、シャンパンを含んだ。
