「ね、半分以下だってさ、カエル」



仰向けで寝てるカエルは、私をのっけたまま笑ってるだけ。



「あ、そうだ」



カエルののんきな顔を見て思い出した。


すっかりキレイになっちゃって。


サンタと一緒に帰ってきたけど、カエルの身にいったい何が起こったのか。



それと、ベランダから登場したオネエマン。


その理由を知っているはずの流川。



まあ、カエルのことは……流川だって分かんないよね。


いきなりサンタが連れてきたんだから。


でも、カエルのことを見ても、そんなにびっくりしてなかったのも不思議なんだよな。



「ねえ、流川?」



カエルを抱えたままごろんと寝がえりを打った私。



「カエル、キレイになって帰ってきてよかったね」


「ああ、そうだな」


「流川さ、カエルのこと、なんか知ってる?」


「なにが」


「私がカエルを抱いて部屋に戻ってきてもさ、気にしてる感じがなかったし」


「お前がカエルを抱いてる姿なんて見慣れてるからな。行方不明だったことなんてすっかり忘れてたわ、普通過ぎて」


「そなの?」


「ああ」



う~ん。



「なーんかヘンなんだよね」


「なにがだよ」


「香穂ちゃんにね、カエル帰ってきたよって言ったのね。無くした本人だからさ、ホントですか?! とかってびっくりしてもいいじゃん?
でもさ、そうですか、良かったです。なんてクールな返事だったんだよね」


「あの子っぽいと言えばあの子っぽいだろ」


「うーん……。ま、そだね」



とりあえず、カエルのことはもういっか。


無事に帰ってきてくれただけで。