なんだか、流川にそう言われると。


恥ずかしいんだけど、うれしくて。


魔法にかかったような気分になる。



「流川マジック?」


「なんだそれ」


「イヤとか、ダメとか、言えなくなっちゃうよね、流川の手にかかると」


「ベッドの上ではいいんだぞ? そう言っても」


「ぎゃ////」



赤くなった私を見て楽しんでる流川だけど、


そこに優しさが混じってることだって知ってる。



からかいながらもちゃんと、持ち上げてくれるんだもん。


気づいた時には不安が取り除かれてるんだよね私、いつも。


ドSな荒療法だけどね。



「よ、よしっ」



気合いを入れて立ち上がった私。


好きな人に“欲しい”とか言ってもらえるのって、


普通にウレシイもん。



「お風呂に入ってきますっ」



プレゼントですから、私。



「キレイにしてくるからっ。待ってて流川!」



でもやっぱり緊張はしますから。


流川と……初めての夜だし。



「長風呂すんなよ」


「う、うんっ」



くすくすと笑う流川の声が、


ギクシャクとロボットみたいな動きでバスルームへ向かう私の後ろ姿にかけられた。