「ねー、流川」


「ん?」


「聞きたいこと、いっぱいあるんだけど」


「ふーん」


「ふーんじゃなくて。いっぱいあるんだよ、ホントに」



気になってることはたくさんある。


だから余計に、どこから聞いたらいいのか分かんない。



「え~っとね、」


「後でいいだろ。まずはここを片づけるのが先だ」


「そんなこと言ったら忘れちゃいそうだもん。疲れてるし、寝ちゃいそうだし。寝たら完全に忘れそうだし、私」


「まあ、お前ならそうだろな」


「ひど」


「あはは」


「あははじゃなくて。あ、話したいこともあるんだよね。カエルのこととか、あ……」



……ヤバイ。


カエルのことを話そうとすれば、サンタのことも話さなきゃいけないわけで。


ということは、泥棒に入られそうになったことも言わなきゃならないわけで。



「……」


「なんだよ、急に黙って」


「いや、その、」


「カエルがどうしたって?」


「いや、その、」


「まあいい。とりあえず片づけるぞ。あとで聞くから」


「う、うん」



どうしようかな。


ここは正直に話したほうがいいかもな。


あとで発覚して、ガミガミ怒られるのもイヤだし。



っていうか……。


ソファにちゃっかりと座ってるカエルを見て、流川、何とも思わないのかな。


私が外から帰ってきたときだって、カエルのこと抱いてたのに何にも言わなかったよね。



「ヘンなの」



腑に落ちないことがいっぱいあるけれど、


忙しく動き回る流川を眺めながら手を動かしているうちに忘れた。