「なに、その目……。今度はなにをひらめいたの?」



……って、予想はもう付いてるけどね。



「流川直人がいるじゃない」



やっぱり。


てか、ヤるチャンスって。



心配してくれるのはウレシイけれど、


それしかないのか、麻紀。君の頭の中は。



「ね? 流川に世話になればいーじゃん。彼女が困ってるんだから、いくら唯衣のこと“甘やかさない宣言”してる流川直人でも今回ばかりは言うこと聞いてくれるって」


「でも……」



でも。でもでもでも。



「私、1回も流川の部屋に行ったことないもん」


「だからなによ」


「えっと、だから……その」


「ブツブツ言わないの。だいたいアンタたち、夏休みだって1ヵ月も一緒に暮らしてたじゃない。

今さら一緒の部屋で生活するのに緊張する~なんて寝ぼけたこと言うんじゃないわよ」


「別にそういう意味じゃ、」



……ないよ、と言いたいところだけど。


実は麻紀の言うとおりだったりする。