「こ、怖くない、怖くない。全然怖くないっ」



ガチガチに固まったカラダをなんとか動かして、廊下へ向かった私。



「だだだだ、誰かいるのっ?!」



絶叫後、壁にはわせた指がとらえたスイッチを押して明かりをつけると。




――パタン……




「ひいぃぃっ!」



自分の引きつった声と共に玄関の扉が閉まった。



「や、やっぱり泥棒……」



玄関には、濡れた靴跡が残っている。


扉が閉まる直前、赤っぽい人影も見えた。



「あああ……どうしよう……」



なんて、悩んでる場合じゃない。



カエルも見つけられない、泥棒にまで入られる←




…<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!




流川との約束事、全部守れてないじゃん、私。



「く、くそっ! 絶対捕まえてやるっ! 吉沢唯衣……流川直人のオンナの名にかけてっ!」



半ばやけくそになった私は、着の身着のままの状態で部屋を飛び出した。