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「……もう一生会えないかもしれない……。カエルに」



昨日の夜もなかなか寝付けなくて、


そのまま起きたような状態でカエル探しに出たけれど。



お店が開くのを待って、それからバイト先へ向かう時間を考慮した午前中の1時間だけじゃ思うように動けなかった。



「怒られるかな。どうしようかな」



ファミレスへ向かって歩きながら、私はケータイを握りしめて迷っていた。



「でもな……もしかしたら何か知ってるかもしれないし」



……よし。気合いだ、気合い。



ポチっと押したのは、



『ちんちくりん?』



らぶりー留美の番号。



『なによ、こんな朝早くに』


「ごめんなさい。てか、朝じゃなくてもう昼ですよ」


『そんなの分かってるわよ。アタシにとっては朝なのよ、さっきまで仕事してたんだから。クリスマスだったから後片付けも大変だったんだから』


「そ、そうですか。お疲れさまです……」



さぞかし、ダンスもすごかったんだろうなぁ。


もう1回あのダンスが見たいなぁ。


……じゃなくて。



「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」


『何よ』


「香穂ちゃんから、カエルのこと何か聞いてませんか?」


『は? カエル?』


「はい、カエル」


『カエル?』


「はい、カエル。行方不明なんです」


『切るわよ。何言ってるかさっぱり分かんないわ、アンタ』


「あっ、ちょ、ちょっと待ってっ! カエルです、流川の部屋にいた、でっかいミドリの笑ってるぬいぐるみのカエルですっ」



説明下手な自分が情けない。


けど、カエルがいなくなった経緯を一生懸命オネエマンに話した。