ゆっくりお湯につかって、ふくらはぎをマッサージして。


よたよたとバスルームから出て時計を見ると、もうすぐ0:00。



ひとりぼっちのイブが終わる。



窓際で眺める外の景色はいつもどおりキレイだけれど、


街全体がベールをかぶったように薄っすらと白みがかって見えた。



「明日も寒そうだなぁ」



つぶやいた私の後ろで、



『髪乾かして寝ろよ』



優しい声が聞こえたような気がしたけれど。



「流川……?」



振り向いても誰もいなくって。



「……メリークリスマス……流川」



受け止めてくれるヒトのいない声は、広い部屋に吸い込まれただけだった。



「もう寝よ……」



1日中動かしていたカラダはくたくたで。


だけどそれだけが理由じゃない疲れがずーんと重くのしかかってる感じ。



「おやすみ……流川」



ベッドにもぐりこんで丸くなっても、


浮かんでくるのは流川の顔ばかりだった。