コーヒーを入れ直して座ったソファで。



「で、いつ行くの?」



おそるおそる聞いてみた私。



「あさってだったかな」


「あさって……そっか、あさって……。
……え? あっ、あさあさあさってっ?!」


「うん」


「ぎゃ、が、ばっ、べ?!」


「言葉になってねーぞ、それ」


「だだだ、だって……。あさって?!」



……って!


えっとえっとえっと、



「冬休み初日じゃん! しかもイブ前日じゃん!」



いやいやいやいや、その辺も気になるけどそうじゃなくて。



「そ、そんな急なの……?」


「ああ。チケットの手配は勝手にされてたんだよ。お前にも早めに言おうとは思ってたんだけど、迷ってたのもあるし」


「は……ははは……」



もう……笑うしかない。



「だから言ったろ? ひとりで耐えれんのかって。ここにひとりになるんだぞ?
お前残して火事にでもされたら困るしな。すぐに寝るし、お前」


「……」


「まあでも、そろそろ終わるか、お前のアパートの建て直しも」


「……」


「本当に大丈夫なのか?」


「……う、うん……大丈夫。ははは……」



神様……。


いや、カエル……。


これは君の呪いか。



「私……ひとりぼっちになるんだ……」



年末年始のイベント盛りだくさんのこの時期に。



「ん?」


「ううん。何でもない。そっか。あさってか。ははは……」



せめて来年からとかさ。


もう少し猶予はなかったわけ?