「な、なにっ?」


「何って。ひざ枕だろ」


「いや、それはそうだけどっ」


「枕にするヤツがいなくなったからな」


「へ?」


「カエル」


「あ」



そうだ、カエル。



「なかなか戻ってこねーな」


「戻ってこないって。流川、香穂ちゃんが持ち出したの知ってるんでしょ?」


「ああ。クリーニングに出しておきますからとか言って連れてったけど」


「その後の話聞いてる?」


「後の話? いや? 聞いてねーけど」


「あのね、」



カエルが行方不明になっていることを話すと、



「ウソだろ」


「ホントみたい」


「信じらんねーな、出した店忘れるなんて」


「ホントに。てかどうしようね、カエル……」


「うーん」



そのままの体勢で腕を組んだ流川が目を閉じた。


こんな話の途中だけど……、


その顔がキレイだなとか思ってしまった私は太もものむずがゆさも手伝って赤面した。



「ね、る、流川。太ももが……その」


「ん? 重いか?」


「いや、そうじゃなくてその……」



神経がそこに集中しちゃって……


ムズムズ、するんですけど。