「すごーい! キレーイ!」



思わず敷地に駆け込んだ私。


中にはトナカイのオブジェがところどころに置かれていて。


まるで、みんなで駆け回って遊んでいるみたいだ。


公園が小さいから、これだけのイルミネーションでも1つのおもちゃ箱みたいで。



「スゴイ。カワイイ。キレイ」



繰り返す私の後ろで、流川が苦笑した。



「喜びすぎだ、お前」


「だってカワイイんだもん」


「トナカイか。サンタがいねーな」


「準備で忙しいんじゃない?」


「準備?」


「クリスマスプレゼントの」


「ふ。なんだそれ」



流川が笑う。



こうやって、あきれた感じで私を見て笑う流川の顔、嫌いじゃないんだよな。


むしろ、またひとつ私を知ってもらえたような気がして、



「……好き、なんだよね」


「あ? 好き?」


「いやいやいや、なんでも。サンタが好きなんだよね、私」


「ずいぶん年上好みなんだな、お前」


「そういう意味じゃないよ……」



こんな会話も、いつまで出来るんだろう。


そんなことを思いながら、ブランコに座った。