「ふぅ……」



ソファに寄りかかって、天井をあおいで。


そっと目を閉じる。



ココロを落ち着かせてから、ゆっくりと目を開いたとき、



「流川……」



一番に浮かんだのは流川の顔。



「ハタチの試練、再び。かな」



つぶやくと、きゅっと胸が痛くなったけど。


でもきっと大丈夫。


私と流川のキズナは、そんなにもろくない。










「?」



あれ?


気がつくと、ひざに毛布がかけてあって。



隣にいる誰かの気配に驚いて顔を向けると、



「起きたか」


「……流川?」


「ネコ以上だな。お前の眠り癖は」


「え? え? 寝てた?」


「よだれ垂らす勢いで口開いてだぞ」


「……マジ?」



また寝ちゃったんだ、私……。



「部屋真っ暗にして。どうしたんだよ。また具合でも悪くなったか」


「へ? あ、ううん。何でもない」


「ふーん。腹へったな」


「あ、作っといたよ、ご飯」


「サンキュ」


「焼きそばだけだけど。足りる?」


「足りなかったら何か買いにいけばいいだろ」


「そだね。買い出しもしなきゃと思ってたんだ」


「どれ、食うか」



いつものように、ぽんと私の頭に手を置いた流川に、



「うん」



笑顔で、うなずいた。