流川が海外行きを私に言わなかったのはどうしてだろうって考えてみる。



私のガス爆発イソウロウ騒動、オネエマン事件、


香穂ちゃんのごり押し、光太くんの登場。


それに加えて、私の意地っ張り。



……(--;)



言わなかったっていうより、言えなかったんだろうな。



全部、流川が解決してくれたんだよね。


私やっぱり、流川に頼ってばかり。



思えば。


流川の背中で聞いた気がした「海外」の言葉。


ぼんやり夜景を見ている姿。


オネエマンの部屋の帰り道。



浮かない顔をしていたり、ため息をついたり、フリーズしていたり。


流川の様子から、ちょっとずつサインは出ていたんだよね。



それに、私が気づけなかったんだ。



こんなに近くにいたのに。


自分のことばかりで精いっぱいで。


流川のこと、何にも考えてあげてなかった。



『オレだってな、悩むときは悩むんだ。自分ばっかりとか言うな』



そうだよね。


流川って、何でもできちゃうから、私、勘違いしてた。


とことん頑丈なヒトなんていない。


強いだけのヒトなんていない。


恋愛ばかりで悩んでるんじゃない。



歩いていれば、つまづくことだってある。


いろんなことが起こる。


みんな、それぞれなんだから。