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「よし。出来た」



完成したのは焼きそば。


これしかないけど、流川、足りるかな? なんて思いながらラップをかけて。



思いのほか早く出来あがっちゃったから、


時間を持て余した私はコーヒーをいれてソファに座った。



テレビをつけてみても、内容が頭に入ってこなくて。


雑誌を広げてみても、なんとなくページをめくっているだけ。



「ふう……」



立ち上がった私は、部屋の明かりを落とした。



悩んだとき、迷うとき、


明かりを消すといいって誰かが言ってた。



大切なものが、灯るから。



ガラスの向こうに広がる夜景はキラキラと相変わらずキレイで。


でも毎日ちょっとずつ、カタチを変えているのも確かで。


見慣れてしまうと、


ちゃんと見ようとしないと、


そんなことには気づかない。



同じ景色を2人で並んで見ていても、


ビルだったり、電車だったり、お月さまだったり。


視線の先にとらえているものは違うものなのかもしれない。



でも。


見ているものを教えられて、自分もそれに目を向けたとき、


そこに感じることや思うことは、同じ気持ちでありたい。



キレイだなって感じるのと同じように、


嬉しさも、寂しさも、切なさも、愛しさも、同じ大きさで感じたい。



だって、大切なヒトと共有する時間だから。