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「このあいだ光太がさ、流川に会いたいとか言ってたよ。アイツ変態?」



遊びに来た麻紀が冷蔵庫の中をのぞきながら言った。



「流川に?」


「うん。てか大変だったんでしょ、アンタ」


「うん。大変だった。でも……ぅふふ……」


「なにその笑い。気持ち悪いなぁ」


「いや。まあ、仲直りもできたし、香穂ちゃんも何だかんだ言って分かってくれたみたいだし。とりあえず良かったなって」


「目の前でキスしたんだってね、流川直人。やるね」


「うん。……えへへ」


「だから気持ち悪いってば」



結局なにも取りださずに冷蔵庫をしめて、麻紀はソファに座った。



「あ~、お腹すいた~」


「今なんにもないんだよね。買い物ずっと行けてなくて」


「ちょっとは入ってたよ? 2人分作れるくらい」


「それはダメ。流川と私の夕飯分だから」


「ぶー。ケチ」



寝転がった麻紀は。



「あれ? 唯衣、カエルは?」


「え?」


「カエル。いないじゃん。この前ここにで~んと座ってたのに」


「あ」



そうだ。それだ。カエルだ。


このあいだから何か足りないと思ってたんだ。



「部屋?」


「ううん。部屋にはいない」


「じゃ、どこ?」


「わかんない」


「は?」


「どっか行っちゃった……」


「うそ。動いた? とうとう」


「あれ? ホントにどこ行ったんだろ」



ここのところずっと塞ぎっぱなしで、カエルのことなんて全然忘れてた。


いつからだっけ?


いつまでいたっけ?


思い出せない。