「ふー、気持ち良かったー」



何くわぬ顔して髪をふきながらリビングへ戻る。



「髪、乾かせよ」


「はいはい」



……ん? 前にも同じようなこと言われたよね?


そんで、どうしたんだっけ?


また何か引っかかったけど、次の瞬間にはそれどころじゃなかった。



「その前にビール」



ソファに寝ていた流川がカラダを起こすと、まだバスタオル一丁の姿で。



「なっ、なんでバスタオル!?」


「バスタオルじゃねーって。ビール」


「ビールじゃなくてっ。何でバスタオルなの?」


「あのな、意味不明だお前。ビール持って来いって」



は、早く……。


Tシャツでも何でもいいからそのキレイな裸体を隠しなさいってばっ。


っていうか、パンツはいてくれる?


バスタオルが気になって気になって……。



「る、流川、風邪ひくよ? 早く服着なよ」


「ああ。飲んだら着る」



冷蔵庫から取り出した缶ビールを差し出すと、



「サンキュ」



プシッと開けた流川は。



「髪乾かしたら、オレの部屋に来い」



飲みながら、私に視線を送った。