「青木さんの部屋って……あの、1階の真ん中の?」 1番黒くすすけている部屋を指さして聞くと、 「そう、1階の真ん中の青木さん」 「そこでガス爆発?」 「そう、ガス爆発!」 「青木さんの部屋が、ですよね?」 「そうだよ、青木さんの部屋って言ってるじゃないの」 「なのになんで……全部の部屋の壁、なくなってるんですか?」 「あのねぇ……」 後藤さんはため息混じりの声を出し、無残な姿になったアパートを見ながら肩を落とした。