「うーん……」



伸びをして目を開くと、部屋の中はもう暗くなっていた。


明かりをつけて時計を見ると、5時。



起き上がって鏡を見る。



「ひどい頭……顔……」



ぼさぼさの髪の中に、寝ぼけた顔があるって感じ。


さっきの私もこんなだったのかな。


なんて思いながら部屋のドアを開ける。



リビングに行くと、ソファに寝転がっていた流川が顔を上げた。



「自分で起きたのか」



ぼんやり立っている私をじっと眺めて、



「ひでぇな、その格好」


「……」


「風呂入るか?」


「……」


「いや、いっか。髪ぐらいとかして来い」


「……」


「着替えもしたいならして来い」


「……」



なんなの?


なんで流川が私の次の行動を決めるのって話。



「……夕飯つくるのに、別に格好なんてどうだっていいでしょ」


「ん?」



思わず出てしまった言葉に、あわててキッチンに向かった。



「何してんだよ」


「何って……」



ご飯、作ればいいんでしょ?


ごにょごにょと口を動かしてる私のそばに来た流川は、まな板を持った私の手を取り上げた。



「オレの完璧な治療を濡らすな」


「……」



じゃあ、どーすればいいのよ。


唇を尖らせた私に、



「その代わり、コーヒー」



は?


首をかしげた私を尻目に、ソファに戻った流川は再び横になった。