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「それ食ったら薬飲めよ」



――こくん。



うなずいただけの私にため息をついた流川は、食べ終えた自分の皿を持ってキッチンへ向かった。



結局、パスタは流川が作ってくれて。


無言のまま、2人で食べた。



お腹がへってるのに、息苦しくて。


お皿の上のパスタはなかなか減らなかった。



自分が作ってる沈黙だってわかってるのに、言葉を出すことができない。


半分……、いや、ほとんど意地になっている自分が情けない。



けど、どうしても流川の目が見れなかった。


負け犬なんて言われて、悔しくないわけがない。


私にばっかりそんなこと言って。自分はどうなの。


そんな気持ちのほうが先に立っていた。



やっとカラになったお皿を運ぶと、



「洗っとくから。少し寝ろ」



私からお皿を取り上げた流川は、



「夕方には起こすからな」



そう言って、カチャカチャと手を動かしている。



起こす? 何?


夕飯はお前が作れとか?



聞けばいいのに。


流川に差し出された水の入ったコップを受け取って、私はそのまま部屋へ戻った。



その水で、薬を飲んで。


横になってぼんやり天井を見上げていると、自然と眠気が襲ってきた。



「……ごちそうさま」



遅れすぎの言葉をつぶやいて、私はまぶたを閉じた。