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「はい、唯衣さん。あーん」



ベッドの上でやっとカラダを起こしている私に、


光太くんはおかゆののったスプーンを差し出した。



「自分で食べれるから」


「いいんですってば。病人なんだから。はい、あーん」


「……だからいいってば」



スプーンを取り上げようと伸ばした腕は、


チカラなくぽさりと布団の上に落ちた。



「ほら~。何も食べないから体力も落ちるんですよ。言うこと聞いてください」


「……」



口元まで差し出されたスプーンに仕方なく口を開くと、


嬉しそうに笑った光太くんは、私の口の中に、おかゆをそっと流し込んだ。



「どうですか? 美味いですか?」


「……わかんない」


「ええ~?」


「ごめん、ホントにわかんないの」


「仕方ないっすね。熱あるんですもん」



心配顔になった光太くんがもう一度スプーンを差し出したけれど、


私は首を横に振って布団にもぐり込んだ。