「ったく。何でいつも限界越えまで飲むんだよ、このバカが」



腕に抱いた顔に大げさに毒づいてやったが、


そんなことには気づきもせず、あっぱ口を開けて爆睡してやがる。



「真波と盛り上がっちゃってさ」


「真波?」


「今の彼女」


「……ああ、あの凶暴なオンナか。そういえばどうしたんだよ、置いてきて大丈夫なのか?」


「爆睡してるし。2人背負って出てくるわけにもいかなかったし」


「……悪りぃな」




“オレのところに唯衣がいるんだけど”



要からの電話に、自分の耳を疑った。



こんな時間に……、


いや、なんで前のオトコの部屋に行ってるんだと。



“何してんだよ”



くってかかったオレの言葉に、電話の向こうの要は、彼女付きだと答えて笑った。



「オレとお前の悪口散々言いあって喜んでたわ」


「悪口?」


「怖いよなオンナって。言わないだけで、イロイロ見てるんだもんな」


「……なんの宴会してたんだよ」



何なんだ、いったい。