「興味深いオトコね、流川直人」



ショートの髪を手ぐしで整えながら麻紀がぼそっと口にした。



「興味深い? なにが?」


「まだ20代前半の、バリバリにヤリたい盛りのオトコなのによ?」


「は?」


「唯衣になかなか手を出してこないってことは、なにか秘密があるんじゃないの?」


「なにそれ」



麻紀の目が、半月形に変わってる。


あ~、これ、何かひらめいた時の……。



「案外、オンナには興味がなかったりして」



ほら来た。……っていうか、



「え?」


「ホントはオトコに興味があったりして」


「な! が! そ、そんなわけないじゃん。だって、祐二くんに温泉でカラダを触られたときだって相当気持ち悪がってたもん」


「そのあとで、趣味が変わってたりして」



う……ウソだ。


そんなこと有り得ないってば。