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「私……何してるんだろ……」



見慣れた扉の前で、私はぼう然と立ち尽くしていた。



「唯衣、ひとりで大丈夫?」


「うん」


「ホントに?」


「うん、大丈夫」



心配顔の麻紀と改札で別れて。


電車に乗って。


クリスマスの中吊り広告をぼんやりと見上げていた私の頭の中には、何にもなかった。



ふらふらと降りた駅。


ドアの前までやってきて、


やっと自分がどこにいるのかに気づいたら、バカみたいで泣きそうになった。



今さら……何してるんだろう私。


ちゃんと答えを出したはずなのに。


笑顔で、サヨナラを言えたのに。



なんで……要くんの部屋になんて来ちゃったんだろう。