「や、やっぱり流川が着いていってよかったね、今日」
緊張をまぎらわすために口を開くと、
「お前もなかなかイイこと言ったぞ」
「え？ 私？ 言った？」
「まあ、予想どおり余計なこと言いそうにはなったけどな」
私を見下ろした流川がほほ笑んだ。
「アイツも、これで少しはお前のこと認めたんじゃねーの？」
「認めた？ って？」
「オレのオンナだってこと」
「オレの、オンナ……？」
ぎゃ、ぎゃ、ちょ。
流川の口から改めてそういう言葉を聞くと……
て、照れるんですけど。
……てか、でも。
なんか……
嬉しいんですけど！
「オレの、オンナ」
「ああ」
「オレのオンナ、オレのオンナ」
「……どうしたんだよ」
「オレのオンナ。きゃーっ」
「騒ぐな、バカ」
ポケットの中で、ピシッと手を叩かれたけど。
そんなの全然気にならないくらい、この時の私はシアワセだった。
