「あぶねーな」



間一髪。


前のめりに倒れそうになったところを支えられて。



「ったく。ちゃんと歩けよ」



私の頭をぽんっと叩いた流川は、



「ほら」



左手を差し出した。



「手」


「手? え?」


「つないでやる」


「う、うん」



右手を重ねると、きゅっと包まれて。



「冷てぇな、お前の手」



つないだ手をポケットに入れた流川は、


指を動かして、私の手をさすってくれた。



ドキドキドキ……。



はあ……


手をつなぐだけでも……まだ、緊張するんだなぁ私。



これじゃ、キスで赤面するのも無理ないよ。