帰り道。
「お父さんもお母さんも、認めてくれるといいね」
「だな」
月明かりに照らされた道をゆっくりと歩いて、
私と流川は駅へ向かった。
明日帰ると言ったお父さんの言葉に、
今夜はオネエマンも自分の部屋に残ることになって。
「オネエマン、泣いてたけど嬉しそうだったね」
「ああ」
一件落着、とはいってないかもしれないけれど、
とりあえずオネエマンとお父さんたちが仲直りができたことにちょっとだけほっとした。
「もっと怒られるかもって思ってたけど……。よかったね、ちゃんと話ができて」
「ああ」
“苦労するのはお前なんだぞ”って言葉。
お父さん、怒ってはいたけれど、
それはオネエマンのことを心配してのことなんだよね。
見送ってくれたお母さんの顔にも笑顔が浮かんでいてよかったな。

