「あ、あの」



思わず口を開いてしまった私。



「オネエマ……留美さんは今の仕事、すごく一生懸命やってます!」



全員が私を見ている。



……あ、マズイ。



とは思ったけど止まらなかった。



お父さんの言う、“まともな仕事”ってなんだろう。


仕事に正解不正解なんてあるんだろうか。



自分がやっていることに、どれだけ自信と誇りを持っているか。


そしてどれだけ頼られてるか。


問題は、そこだと思うんだ、私。



「留美さんの仕事ぶり、ホントにすごいんです。


私、見たことがあるから分かります。


さっきだって、留美さんが店に来ないと大変だって電話があったんです。


お店のみんなからの信望も厚いんです」



みんなから必要とされてるんだ、留美は。


オネエマンとしての、留美は。



「……じゃなきゃNO.1になんかなれません。


1番になるのって、すごく大変だと思うんです。なんでも。簡単じゃない。


すごくいっぱい努力して、苦労して、悩んだ分だけ、今のオネエマンがいるんだって、私は思います。

人って、外見じゃなくて中身で、えっと、あの……」



あああ……。


こんなとき、ちゃんと気持ちをまとめられない自分が情けないなぁ……。