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「この先、苦労するのはお前なんだぞ、武雄」



黙ったままだったお父さんが口を開いた。



「今はそれでいいかもしれない。しかしこの先どうするんだ。

今の仕事だっていつまでも続けられるわけじゃないだろう。

結婚だって。お前はどう考えてるんだ」



お父さんの声は落ち着いていた。


けれど、表情にはまだ険しさが残っている。



「結婚は……あきらめてるわ。今の日本では仕方ないもの。

仕事は続けていくつもりよ。

いずれお店も持てればいいなと思ってる」



顔を上げたオネエマン。


顔はぐしゃぐしゃだけれど、


瞳には凛とした色が浮かんでいた。



「あきらめてる、か」



渋い顔を作ったお父さん。



無理もないよね。


親としては子どものシアワセを願っているのが当然だもん。


家族を持って、シアワセに生きてもらいたいはずだ。



「店を持つなんて簡単なことじゃないだろう。

せめて仕事ぐらい、まともなのを選んだらどうなんだ」



口調が厳しくなっている。


オネエマンはまたうつむいてしまった。



お父さんが言いたいことはわかる。


怒ってはいるけどでも、やっぱりオネエマンのことが心配なんだ。



だけど……。