「奈緒!!アンタまた●☆▲※◆!!」

お母さんが怒鳴ってる。

きっとバスのお釣りの事だろう。

後々考えて,そう思った。


その怒鳴り声は私の耳に届かなかったから。



私はただ「うん,うん」と答えていた。

お母さんの大きな大きな声に,聞こえるか聞こえないかの小さな小さな声で。


声を出したら私の家だと分かってまた来るかもしれない。

そう思ったから。


あの,男の人が...




私は男の人が怖くなった。