「うん…卓に対して疑ってばっかりだったから」


「そりゃ、疑うの無理ないよ!」


「そうかな?」


「そうだよ!私だって彼氏がそんなことになったら疑うし、怒って喧嘩して、別れちゃうかもしれないよ」


紙ナプキンを用意するかおりは私を見ながらそう言った


「別れる?」


「多分ね!喧嘩してる時って、お互いの事が大嫌いでしょ?私達って勢いでそうなりそうだし(笑)泉はよく耐えたよね〜」


「耐えたっていうか…私だって、凄く泣いたよ」


「…うん」


マフィンの型にタネを流し入れながら、かおりとの会話が続く


「でも、卓を信じたかったんだ」