受験が終わって、俺も彼女も無事に志望校に合格。

彼女は県外の大学を受験していたために、これで俺たちが遠距離恋愛になることが決定した。

「遠距離でも、よろしくね」

お互いに離れても別れることなんて考えなかったし、そのつもりもなかった。

これから一人暮らしになる彼女の家までは車で2時間くらいかかるところだけど。

大学生になったら免許を取ってバイトでお金をためて車を買うつもりだった俺は、毎週でも会いに行くつもりだったし、彼女も電車で会いに来てくれると言っていた。

岡島クミも俺と同じ大学に無事合格していて、入学してから聞いたら彼女も遠距離恋愛になったらしいけど海外へ留学してしまった彼氏とは彼が旅立つ前に別れてしまったらしかった。

「まあね、そんなもんだったのよ。私たちの関係は」

いつものように笑顔で何でもないように話してくれた岡島だったけど、実際はどうだったんだろう。

他人の恋愛にまで気が回らなかった受験生の時のことだし、岡島の彼氏がどんな人だったのかも実は知らないんだけど。

同じ大学で同じ学部の俺たちは、予備校の時と同じように一緒にいる時間が長くて。

興味のあるサークルも一緒に入ることになった。

そこで知り合った仲間とよく飲みに行ったりバーベキューをしたり。

合間にバイトをして自動車学校へ通って。

俺の大学生活はとにかく忙しくスタートを切った。