…お昼休み

隣りの席の男の子に、声をかけられた




「 なぁ…、」


「 !? 」



…普段喋ったことなんてないから、こうして声を掛けられたことに私は驚きを隠せない。


驚く私をよそに、彼はマイペースにこう言った。



「 それ、ちょーだい。」


「 ふぇっ!?」



唐突な言葉に、私は口にしていたパンを銜えたまま間抜けな声を上げてしまった。




「 …ネコのシール。」


言いながら彼は、私が手にしているパンの袋に付いたネコのシールを指差した。


そういえば、20点集めるとネコのカップが貰えるってCMでしてたような…



「 …集めてるの?」


「 うん。

あのネコ可愛いから… 」



そう言ってはにかんだように笑って答える彼に、私の胸はきゅんと高鳴った…




「 はい、どーぞ。」


「 さんきゅ。」



なるべく丁寧に剥がして取ったシールを彼に渡した。

ちょこっと触れた彼の指先


これだけのことにドキドキした。




…この日以来、

なんとも思っていなかった隣りの席の男の子に、私は恋をした…。