「あれ?瞬、帰ってたの?」

「うん。…誰か来てなかった?」

「事務のことみちゃんが来てたの。家、凄い近いんだってね。スーパーの先のアパートで一人暮らししてるんだって。まだ22なのに一人暮らしって偉いわよねぇ。3つも年下の子が一人暮らししてるのよ?瞬も見習ったら?」

「…そのうちね」

ため息混じりに小さく呟き、缶ビールを取り出した。

意外な所で彼女の年齢と、住んで居る場所の辺りまで知った事は嬉しかったが、出来れば本人の口から聞きたかった。

止まる事の無い母さんの小言を尻目に、黙ったまま部屋に逃げ込んだ。