玄関の気配は、ゆっくりと僕に近付いてくる…

「タカシ…」

枯れた声と室内の暗さと泣き顔で、ソレが一瞬、誰かわからなかった。

目の前の人は、糸が切れた人形の様に膝から崩れ落ちた。

僕は驚いて後退りをした。


そして…、
僕は崩れ落ちた人を凝視した。