"あの日"

それはもしかして

私の意識が途切れた日?


でも、もし死んじゃったなら私が此処に居られる訳がない。


目の前が真っ暗になる。

そして広がるのは
あの日の出来事。








「しっかりして!」

私、階段から落ちたの?

「先生!心拍数が下がってます!」

「これは危ないな…」

なにが危ないの?
私、生きてるのに…。

「まろん!!!!」

息を切らして部屋に現れたのは大好きな彼。

「旦那さんですか?
今のうちにご家族に連絡を…保たないかもしれません。」

「そんな…何でこんな…っ」

「突然の脳梗塞で、発見が遅れた為に…。」

脳梗塞…?

なんで、私が?


ピーーーーーッ

「先生!心臓停止しました!」

「マッサージ続けて!!」

「まろん!死ぬな!!
俺を置いてくなよ!!!」

りっくんが私の手を握ってる。

私の手、指輪がない。


「……残念ですが…。」

それから

15時06分43秒

"私"は息を引き取った。

「まろん…。」

泣きながら顔を寄せる陸登。

死んじゃった私は反応なんか出来ない。

「なんで…なんで…っ」

ただ苦しそうに床を叩く。


私、死んじゃったんだ。
だから、陸登は気づかなかったんだね。