「どうせ、暇だろ?」




「暇だけどさぁ~
お前も明日から仕事だろ?
こんなとこで飲んでていいのかよ」



「いいの、いいの
酔いつぶれてもいいように着替えとか持って来たから」

変なとこで知恵を働かせる愁司。



ちなみに愁司の仕事は大手の証券会社だ。
就職するのは難しいといわれる企業。
そこ一本で就職活動をした愁司。

ちょっとした英雄だ。


そうこう考えている間に愁司は缶を開けている。



「社会人に乾杯」

という意味不明なかけ声で飲み始めた。



この時の俺は明日出逢う女の子が俺にとってどういう存在になるかなんて考えもしなかった。