恋するキモチ

「まぁ、嫌いではないが」

突然何事かと思って答えると、杉本は「これ、どうぞ」と言って、ジャケットのポケットから何かを取り出して渡してきた。

「…チョコレート、か?」

小さな包み紙を受けとる。コンビニなんかでよく、新作がレジ横で売られているのを思い出しながら成田が聞くと、杉本はそうです、と頷いた。

「出張でお疲れだと思って。」

照れたように笑う杉本。成田はその顔を見て、ふっと小さく笑うと、ありがとうな、と言って、頭をポンポンっと撫でた。