1週間の長い出張を終え、久々に登庁する。
部屋に入ると、杉本が嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた。

「ほら」

出張先で購入した饅頭を渡すと、キョトンとした顔をする。土産だ、と伝えると、杉本はかわいい笑顔を浮かべた。
お茶を入れてくると言って、彼女は部屋を出ていった。

「で、どうだったんだ?」

同僚の村儀に聞かれて、成田はため息混じりに首を横にふった。

「多分間違いない。が、収穫は相変わらずだ」

成田の答えに、村儀は少し悔しそうに、そうか、と呟いた。