恋するキモチ

「ほら、京子。遅刻するわよ」

誰かにゆさゆさと体を揺さぶられて、京子は目を覚ます。

「あ”ー…頭重い」

鈍い痛みを繰り返す頭を支えながら、京子は呟く。

「当たり前じゃん。あんだけ飲んだんだから」

希美がしじみ汁を差し出してきた。

「ま、もう遅いとは思うけど、これでも飲みな」

京子は受け取って、それを一口飲む。

「おいしいー!生き返るわ…」

苦笑いしながら、希美は京子を支度させる。

「ほらほら、早く支度しなよ?いくら出勤場所がここから近いからって、これ以上のんびりしてたら遅刻するよ?」

言われて京子は時計を見る。
すでに時刻は8時を過ぎていた。