恋するキモチ

「で?少しはすっきりした?」

ゲームセンターを出たところで、声をかけられる。

「…ぜんっぜん」

イライラを隠そうともせず、京子は答えた。

「大体、なんで洋司なんて連れて来たのよ」

「やだ、八つ当たりなんてしないでくれる?」

希美がけらけらと笑いながら言う。
京子は深いため息をついた。

「…ごめん。でもホント、なんで連れてきたの?」

不思議で仕方がなかった。
希美面倒見はいいが、あまり、そういうお節介をやいたりするようなタイプではない。

「うーん、ま、洋司がすっごい思いつめた声で、京子と連絡が取れないって言ってきたからなー」

言って苦笑いする。

「ま、後は、今日飲みに行くのがばれたからなんだけど」

希美はごめんね、と肩をすくめた。