恋するキモチ

「そうだよ」

じっと洋司の目を見て答える京子。
洋司は京子の答えに、目を見開いた。

「信じらんねぇ…お前、二股かよ」

洋司の言葉に、京子は眉をひそめた。

「大体、お前、成田さんはどこいったんだよ?あんだけ好きだ好きだって言ってたくせに。あんなおっさんと俺を二股かけるとか」

洋司が言った瞬間だった。
ぱぁん、と乾いた音が店内に響き渡った。
他の席に居た数人のお客さんも、驚いて京子の方を見ている。

「もう二度と連絡してこないで」

ぎろりと洋司を睨みつけると、京子は財布から一万円を取り出し、カウンターにバン!と叩きつけると、そのまま店を後にした。