「ふぁ…」

目を擦りながら、寝返りをうつ。

「………」

目の前にある京子の顔に、成田は絶句した。


なな…なんで杉本がここにいるっ!?


体も硬直して、うまく顔をそらすこともできない。

「すー――……」

小さな寝息をたてながら寝ている京子の寝顔に、思わずクキヅケになる。


…ダメだ、可愛すぎる…


そっと京子の頭を撫でてみる。サラッとした髪が、成田の指から溢れていく。

「う…ん」

気持ち良さそうな表情の京子に、成田はドキッとする。


正直なとこ、この子は俺のことをどう思ってるんだ?


自分自身、たぶん京子のことはだいぶ惹かれていることには気づいている。だが、10歳も年が離れたオヤジのことなど、一体誰が好きになるというんだ。


…芸能人じゃあるまいし。


自分のみてくれのことは、自分が一番よくわかっている。それ故、京子の気持ちが気になって仕方がなかったのだった。

「…風呂にでも入るか」

京子を起こすにはまだ少し早い。成田は、京子を抱きあげると、隣の部屋へと連れていった。