第5章  【上司からの評価】

次の日は大忙しだった

上司には昨日の休みのことで愚痴を言われ

絶対に今日中にはプレゼン用のCMカット割と

キャッチコピーを提出するように言われた

一昨日までに書いていたカット割りは上司にも見せていて

「う~ん・・・まぁまぁじゃないか?もう少し考えて

色を出すように」と言われていた

でも、どんなに愚痴を言われようが

私にとって昨日の時間はかけがえのない時間であり

新しい情報を手に入れた一日であった

よく人は環境が変わると新しいことを生み出すと

聞いたことがあるが、実際に私はそれに当てはまった

忙しい時間ではあったが、カット割りは頭に浮かんでいて

しかもキャッチコピーも浮かんでいた

あの高尾山の山頂からの景色

その景色が私に新しい情報を提供してくれたんだ

彼との出会いが私の中で弾けたように思えた

カット割りもスイスイと進み

キャッチコピーは、これっていうものを自信を持って書いた

悩むことはなかったけど、あの景色から思い浮かんだ事を

言葉で表すのが難しかった

なんて素敵な景色なんだろう・・・・

梅雨の晴れ間に見えた緑の美しさ

それをファンデーションに結び付けてる自分は変かもしれない

それでも普段ではない緑が雨に濡れ

そして艶やかさを醸し出している

それってファンデーションに結びつくことじゃないかって思った

でもそれ以上に彼の今後が心配だった