普通に出会っていたら少し元気のない

ちょっと暗い人って感じかな

でも少し微笑んだ彼の笑顔を見たときに

私は思った

彼には他の人と違う何かを持ってるって。

そこで洋子さんと初めて出会い挨拶をした

洋子さんは「なんだか兄が喜んでいて

実は昨日はあまり眠れなかったみたい・・・

誘っていただいてありがとうございます」と深々とお辞儀をした

「いえいえ、間違い電話だったとはいえ何かの縁ではないかと思って・・

それに昨日は誕生日だったんですよね?」

洋子さんは「そうなんですよ・・・明日は山に行くんだって言って

誕生日のお祝いもしていなかったんですよ」と明かしてくれた

「じゃあ、ご一緒に」と言ってはみたが

洋子さんには用事があったようで、出かけられないとの事だった

ますますデートって感じだ

多少ドキドキしている感じで車をスタートさせた

ナビゲーションを見ながらの運転なので

あまり会話がなかったようだった

でも天気は快晴!こんな梅雨時には珍しい。デートなら最高な気分だ

そんな最高の気分を今、私は感じている

でも、これが恋愛感情とは思っていないんだけど

多少興味を持っていることは確かだ

山の袂にたどり着くと

高尾山がケーブルカーだったなんて初めて知った

彼の顔を見ると先ほどよりも笑顔を見せていた

車椅子でケーブルカーは難しいなと考えていると

彼はこう言った「山頂じゃなくていいんです」

「え!?そうなんですか?}

「えぇ、景色は山頂よりも下からのほうが良いんですよ」と彼

確かに綺麗な高尾山が見てとれる