いま私は疲れている

入社1年目からこんなにハードな仕事だなんて知らなかった

いま時計は夜10時をとうに過ぎている

はぁ・・大学の友人たちも同じなんだろうか?

私だけが損な生活を送っているなのかなんて考えたりもするけど

念願かなって入社した会社だもんね

文句を言いながらも頭の中はフル回転中だった

そんなときに

携帯の電話が鳴った

七色にピカピカと光る特殊カバーをつけた携帯だ

本当にインターネットというのは便利だなと思う

こんな素敵にコーディネイトできるようになっているなんて・・・

ネットで調べなかったら知らなかったよ

それを知ってから片っ端から大学時代の友人に教えたなぁ

恵子、めぐみ、雄太、一郎、吉田

あ・・なんで吉田だけ苗字なのか今でもわかんないけど

なんだか吉田だけは名前でみんな呼ばなかった

大学生なのに老けた顔してて

ひいきにしてもらってた大学の吉田先生と被ってしまったからかな?

誰も聞かなかったけど・・なんとなくかな?

でも私は大学卒業までは吉田と付き合ってたんだよ

みんな知ってたんだけど

知らないふりをしてたみたい

「吉田ぁ~」なんて私一人、叫んでたもん

そりゃバレるよね

大学卒業して私は広告代理店に、吉田は大学院に行って

時間が合わなくて別れたんだ

みんな知らなかったもんね