出展された写真を、一つ一つ、見て廻った。



そして……。



「これ………。」


僕の作品の前で、花梨が足を止めた。


「え、これいつ撮ったの?」


「内緒。」



僕が、出展した写真。


花梨が、無邪気に笑ってる写真。


この写真の存在を、彼女は知らない。