放課後、体育館で表彰式をし、無事幕を閉じた。


嬉しい筈なのに、汚い感情が僕の中を占めていた。


帰り支度を済ませる時は、校内にはチラホラしか生徒が残っていなかった。


ふと、廊下を見ると佐知子が、花梨の教室に向かうのが見えた。


「佐知子ちゃん。」

僕は、呼び止めた。

「桜井君。グランプリおめでとう。
私も桜井君が取ってくれて、嬉しい。」

「有難う…。ちょっと花梨の事で相談したい事有るんだけどいいかなぁ?」


「あんまり、遅くならないなら、いいけど。」


「すぐ、済むよ。」