でもいざとなったらカズキには本音を言えない。


ハルは自分の気持ちを伝えたらカズキと気まずくなるかも知れないから自分の気持ちをカズキには言えなかった。



そのトラウマを作ったきっかけは、中学生の時だった。


その頃は、まだ付き合うとか知らなくて普通に幼なじみとしていた。


普通にカズキと一緒に学校へ行った時。

「ハル達、付き合ってるみたいだね」


「え〜?今の聞いちゃった?『ハル達付き合ってるみたいだね』だって〜」


その声が聞こえたのは、後ろにいたカズキの友達だった。


「あっ、からかわれたんだな」

それしか頭になかった。

だってそんなこと、カズキが深く考えることは無いって思ってたから。


そしてカズキが言った言葉、それはかなりハルの心に突き刺さった。

「マジで?ちょっと嫌気、射しちゃうんだけど」


・・・・え?

カズキはそんなふうに思ってたの?

そんなにハルのこと、うっとうしい存在だったんだね。


なんかもう、一緒にいられないような気がした。



その日から、カズキの顔・・・



その笑顔を奪ってしまった気がしてたまらなかった。