小さな願い

「あのさ、…」


守山くんが何か言いたそうにしている

「何？」


「桜井は１人じゃないよ！？」


梨佳と同じことを言われてしまった…



「なんで？」


「ぃや、別に」


やっぱり亜衣はさみしく見えてるのかな…？


「ぅん、梨佳にも言われた」


「つらくなったら、俺らがいるし、好きじゃないのに、山田と付き合うのは失礼と思うんだ、俺は。余計なことをしてるかもしれないけど、考え直してほしい！！」


「……」


「だめかな！？」



守山くんはなんでこんなにやさしんだろう…？

おこっているはずなのに…どうして？



心が締め付けられて…痛い



「なんで、亜衣にやさしくするの？？」


「え？なんでって…桜井には幸せになってほしいから！俺にできることがあったら、なんでもするし、」



「やさしすぎだよ…」



「お前、やっぱ泣き虫だな！また泣いて、目腫れってぞ」

「ぅん、ありがとぅ」



守山くんはすごいよ、ほかの人のことまで、


そんなことされたら…誤解しちゃうよ…




「じゃ、帰るか！」


「うん。」


「送る」



「でも、…」


「いいの、俺が送りたいだけだから！それとも、いやなの？」


「ちがうの…」


「いやなら言って！！」


「いやじゃないよ！ただ、亜衣と一緒にいたら誤解されちゃう…」


「いいんだよ、俺は」


守山くんが笑った、

最高の笑顔が亜衣に向けられた。


やっぱり、あなたといると心がいたいよ…でも、この笑顔を一人じめしたい

自分でも気づいてなかった、思いがこんなに加速してるなんて…