小さな願い

ドン、ドン、ドン…バンー



すごい勢いで開けられたドアのほうに皆が注目をする




そして、


梨佳が息を切らしてこっちへ向かってくる




亜衣はもう何を言われるか予想がついている




「亜衣、あんた4組の山田君の告白OKしたの!?」



梨佳の声が大きかったからか…皆の視線が一気に集まってくる





周りから色んな声が聞こえてくる


騒がしくなった教室に、がんばって搾り出した亜衣の声がもみ消された




「なんで?昨日まで慎ちゃんのことが忘れられないって言ったじゃん」




自分でもわかってる、ずるい事してるって…


「ねぇ、なんで?」



梨佳は再び同じ質問をしてくる


「もう…いやだ、やめて」


「亜衣!!説明して!!」


梨佳の口調がきつくなった


情けないことに涙が出てくる


「泣いてないで質問に答えてよ!!」


梨佳がキレていることに気付いたのか教室がシーンとなった



「亜衣が考えなおすまで、関係切るからね」



「そんな…」


「よく考えるんだな…はぁ…」


梨佳が教室を出て行こうとしたときにドアが開いた



いつもぎりぎりの守山くんがやってきた

「おっすー、…あれ?皆どうしたんだよ!?」




皆の様子がいつもと違うことに守山くんはすぐに気付いた